アスパラの収穫後の手入れの仕方を紹介!肥料のやり方は?収穫はいつまでで終わり?1株の収穫量はどれくらいかも解説♪
アスパラガスの手入れってやることがいっぱいあって大変そう。
そうですね。しかし、アスパラガスは一度植えてしまえば、10年ほど植え替えなしで収穫が可能なお得作物ですよ♪
この記事では、アスパラの収穫後の手入れのやり方を分かりやすく紹介していきます。合わせて、以下の内容についても解説していきますよ。
- 収穫後の肥料のやり方や量の目安は?
- 収穫はいつまでで終わり?
- 種から育てると収穫までどれくらいかかる?
- 1株の収穫量はどれくらい?
- 収穫する長さは何センチ?
この記事で収穫後の手入れについて予習しておくと、次の夏や春に、たくさんのアスパラが収穫できますよ。
アスパラの収穫後の手入れのやり方
アスパラガスの収穫後の畑の手入れや株の手入れが分からないわ…。
アスパラガスの収穫後の畑の手入れや株の手入れは下の図のように行っていきますよ。
ここからは、アスパラの収穫後の手入れのやり方について。図に沿って「春~夏・秋の手入れ」「秋~冬の手入れ」と、解説していきます。
春~夏・秋の畑の手入れや株の手入れ
- 肥料・草抜き
- 水やり
- 株の手入れ
●肥料・草抜き
春〜夏は肥料を切らさないようにしてください。肥料のやり方や量は、後述の「アスパラの収穫後の肥料のやり方」で解説しています。合わせて参考にしてくださいね。
肥料を与えるタイミングで草抜きも行いましょう。この時期は、アスパラが次の年のための栄養分を作る期間です。雑草が茂ってしまうと、土の栄養素を全て雑草に吸収されてしまいますよ。
アスパラ栽培は「雑草との戦い」と、プロの農家さんも仰っています。来年のアスパラのために、収穫後の畑の手入れはできるだけ行いましょう。
●水やり
春の水やりは土の表面が乾いている様子ならば軽く与えましょう。アスパラは長時間、根が湿っている状態を嫌います。ですので「こまめに少量ずつ」の水やりがおすすめです。
夏は土がすぐに乾いてしまい、水不足になりやすいです。
ですので、梅雨が明けた時期に、敷き藁(わら)を敷いておくのがおすすめですよ。水不足になるのを予防できますし、雑草予防にもなります。
※夏の水やりは涼しい時間帯(朝か夕方)に行いましょう。
●株の手入れ
アスパラの収穫後、その後生えてくるアスパラを130cmくらいまで大きく伸ばします(立茎)。大きくなるにつれて、以下のように株の手入れを行ってください。
- 丈が60cmくらいになったら、四方に支柱を立てて紐で囲い、アスパラが折れないようにする※下の画像を参考にしてください。
- 丈が130cmくらいになったら生長点を折り(摘心)、それ以上丈が伸びないようにする
- 茎の50cmより下の葉は取り除く
立茎させる茎の本数は暖地では4〜5本、寒冷地では10〜15本が目安です。欲張って春に収穫し過ぎると、立茎用のアスパラが出てこなくなりますので気を付けてくださいね。
「立茎用のアスパラが出てこなかったらどうしよう…。」と心配な場合は、立茎用のアスパラを伸ばしつつ、余分に出てきたアスパラを収穫しましょう。
※アスパラの葉は光合成を行いません(茎が光合成を行います)。ですので、葉が茂り過ぎている場合は、少し刈ってしまっても大丈夫です。
秋~冬の畑の手入れや株の手入れ
- 水やり
- 刈り取り・土壌改良
●水やり
秋の水やりは、土の表面が乾いている様子ならば軽く与えましょう。10〜11月頃には、立茎させた茎が少しずつ枯れ始めます。
この時期も株は生きており、水を必要としています。ですので、乾燥させ過ぎないように水やりの管理をきちんと行ってくださいね。
茎を刈り取った後は、露や霜などで土が湿っていることが多いので、水やりの必要はあまりありません。
アスパラの株も休眠している状態なのでそんなに水を必要としていません。ですので水やりは「土がガチガチに乾燥している場合は少し水をまく」程度で大丈夫ですよ。
●刈り取り・土壌改良
霜が3〜4回ほど降ったら(11〜12月頃)、立茎した部分がカサカサに枯れます。このタイミングで茎を下の画像のように根元(土際から5〜6cmの部分)から刈り取ります。
刈り取った茎はできるだけ全て回収し、アスパラから離れた場所で処理してください。
刈り取った茎には、病原菌(茎枯れ病菌や斑点病など)が付いています。アスパラの近くに置いたままにしておくと、春にその病原菌が悪さをします。ですので、必ず処理してください。
処理の方法は燃やすのが一番ですが、燃やせない場合は「燃えるゴミとして処理する」「発酵させて堆肥にする」などの方法もあります。あなたに合った方法で処分してくださいね。
刈り取りが終わったら、土壌改良資材(堆肥や苦土石灰)や肥料をまいておきましょう。
肥料のやり方や量は、後述の「アスパラの収穫後の肥料のやり方」で解説しています。合わせて参考にしてくださいね。
アスパラの収穫後の肥料のやり方
アスパラガスの収穫後の肥料のやり方が分からないんだけど…。
アスパラガスの収穫後の肥料のやり方は、下の図を参考にしてくださいね。
アスパラは、春の収穫後から冬の葉が枯れるまでの間に、次の年のための栄養分を蓄えます。
ですので、この時期に肥料が切れないように、こまめに追肥を行いましょう。アスパラには、下の画像のような「アスパラガス専用の肥料」があります。
栽培に慣れないうちは、このような専用の肥料を使うと安心ですよ。
ここからは、上の図に沿って、アスパラの肥料のやり方や量について、詳しく解説していきますよ。
①春の収穫後の肥料のやり方や量(夏肥)
春は、収穫が終わった頃に化成肥料を約150g(約3握り分)/㎡当たりまきます。
その後は9月頃まで化成肥料を月一回、約50g(約1握り分)/㎡当たりまきます。※寒冷地は8月下旬、暖地は9月下旬までが目安です。
※アスパラの茎や葉が濃緑色になってきた場合は肥料の効きすぎ、黄緑色になってきた場合は肥料が足りないサインです。葉の状態を観察しながら肥料の量を調整してください。
※肥料を与える際に、通路側(畝間)や株周辺を軽く耕して畝に土寄せしておくと、アスパラが折れにくくなります。雑草予防にもなりますよ。
②冬の手入れの際の肥料のやり方や量
冬、枯茎の刈り取りが終わったタイミングで堆肥や有機物、苦土石灰などで土壌改良を行っておきます。この時、少量の化成肥料もまいておくといいでしょう。
この時に与える堆肥や苦土石灰、肥料の量の目安は以下の通りです。
- 堆肥や有機物 2kg/㎡当たり
- 苦土石灰 150g/㎡当たり
- 化成肥料 数粒/1株
やり方は、上記の堆肥や苦土石灰を通路側(畝間)にまき、軽く耕して畝に土寄せします。その後、化成肥料を数粒、株周辺にまきましょう。
土寄せしておくことで、アスパラを冬の寒さから守ることができますよ。
※春〜秋の追肥の際に土寄せを行っていた場合は、土を少し通路側に落としてください。
③春の肥料のやり方や量(春肥)
3〜4月頃に、化成肥料を約150g(約3握り分)/㎡当たりまきます。※最初に土寄せしていた分の土を少し通路側(畝間)に落としてください。
肥料や土壌改良資材(堆肥や苦土石灰)の量はあくまでも目安です。
少なすぎても多すぎてもアスパラの成長に支障が出ます。
ですので、できれば毎年土壌診断を行って「余分に入っている成分はあるか?」「足りない成分はあるか?」を確認して肥料や土壌改良資材の調整を行うのがおすすめですよ。
下の画像のような土壌酸度計を使えば、簡単にPH、窒素、リン酸、カリウムの含有量が調べられます。照度や水分量も計測できますよ↓↓
このような機器をこまめに使って土壌診断を行うことで「どのような土壌改良を行えばいいか?」「どのような野菜を植えればいいか?」など、作業の段取りを組む手助けになってくれます。
収穫はいつまでで終わり?収穫までどれくらいかかる?
アスパラガスの収穫はいつまでで終わりにすればいいのかしら?
「アスパラガスの収穫をいつまでに終わらせればいいのか?」の目安については以下を参考にしてくださいね。
セルトレイ苗を植えた場合の終わりの目安
- 2年目:0~5日間
- 3年目:20~30日間
- 4年目:20~30日間
- 5年目:50~70日間
ポット苗を植えた場合の終わりの目安
- 2年目:7~10日間
- 3年目:15~20日間
- 4年目:30~40日間
- 5年目:60~90日間
ヒョロヒョロとしたものや、先が開いているものが出てき始めたら、アスパラの株が疲れているサインです。
その場合は、収穫をすぐに止めて、収穫後の手入れをはじめてください。
春の収穫後、株が元気ならば夏から秋にかけてアスパラが出てきます。その場合「いつまでで終わりか?」は、決まっていません。アスパラが出てこなくなるまで収穫して大丈夫です。
「夏から秋も収穫したい!」という場合は、春の収穫日数を短めにして終わり、夏からアスパラが出てこれる体力を残してあげてくださいね。
アスパラは種から育てると収穫までどれくらいかかるのかしら?
アスパラは種から育てると、本格的に収穫できるようになるまで3年かかります。
アスパラの栽培過程と収穫時期を下の表にまとめました。「アスパラは収穫までどれくらいかかる?」「収穫時期はいつからいつまで?」について知りたいあなたは、ぜひ参考にしてくださいね。
種から育てると本格的な収穫まで3年かかるアスパラですが、下のような苗を購入して植えれば、植え付けの最初の年から収穫が可能です。
「苗を育てる自信がない」「初年度からアスパラの収穫を楽しみたい」というあなたは、苗を購入して植えてしまうのがおすすめです♪
苗を植え付ける時期(株分けのための掘り起こし時期)は、5月中旬頃か11~12月上旬頃が適期です。
1株の収穫量はどれくらい?収穫方法は?
アスパラガス1株の収穫量ってどれくらいなの?
アスパラガス1株の収穫量の目安は以下の通りですよ。
- 1年目:10本程度
- 2年目:15~25本
- 3年目:30~40本
※ガーデニング用品の通販サイト「園芸ネット」で販売されている苗1株の収穫量の目安です。植え付け初年度から収穫が可能です。
アスパラは、丁寧に世話をしてあげれば、10年くらいは同じ株で収穫が可能です。
株は、毎年少しずつ大きくなっていきますので、上記のように年々1株の収穫量が増えていきますよ。
ただ、10年を過ぎる頃には、根が混み合って成長スピードが遅くなってきます。それに伴い、1株の収穫量も減ってきます。
ですので「ちょっと根っこの部分の土が盛り上がってきて、窮屈そう…。」「株は大きいけど成長スピードが遅くなってきた感じがする」というときは、株分けのための掘り起こし時期です。
※新しい品種は病気に強いものが多いです。今育てている株に病気が目立ち、収穫量が減少している様子ならば、病気に耐性を持った品種への植え替えを検討した方がいいでしょう。
アスパラの収穫方法って?何センチくらいの長さで収穫すればいいのかしら?
アスパラ収穫方法はハサミでチョキっと切るだけですよ。25センチくらいの長さで収穫するのが一般的です。
アスパラは、30センチを過ぎると筋ができたり硬くなったりします。ですので、25センチくらいのタイミングで収穫しておくと安心です。
下の画像のような、ものさしとハサミが一体化したアスパラ収穫用のハサミがあると便利ですよ。根元から切って収穫してください。
アスパラは、収穫してから鮮度が落ちるのも早いです。
収穫してすぐに食べられない場合は、ラップで包みフリーザーバッグに入れて冷凍しておくと、鮮度を保ったまま、少し長く保存できますよ。
まとめ
- アスパラの収穫後の手入れは春~冬にかけて必要
- アスパラの収穫後の手入れ(春~秋)は肥料、水やり、株の手入れなどがある
- アスパラの収穫後の手入れ(秋~冬)は水やり、株の刈り取りなどがある
- アスパラの肥料のやり方は夏肥、刈り取り後、春肥とこまめに与えるようにする
- アスパラの収穫は2年目、3年目と年を重ねることで収穫はじめ~終わりまでの期間が長くなる
- アスパラは種から育てると、本格的に収穫できるまで3年かかる
- アスパラ1株の収穫量は1年目、2年目と年を重ねることで多くなる
アスパラは苗を購入して植えると、1年目から収穫できるのね。今年はアスパラ栽培に挑戦してみましょう♪
アスパラはお弁当のおかずにも重宝します。まずは、試しに1株の栽培に挑戦してみてはいかがでしょう。